ジャーナル

ミニコラム#05 アメリカにおける子供用サプリメントの位置づけ

picture
2024.03.01

先日アメリカ出張に行き、サンフランシスコ周辺の市場視察をしてきました。改めてアメリカと日本、それぞれの国で子供用サプリメント(栄養補助食品)市場には顕著な違いがあることが分かりました。

 

アメリカ市場では、子供用サプリメントに特化した売り場が存在し、多くの種類の商品が提供されています。一般的なマルチビタミンから特定の栄養素を含むもの、例えばオメガ3、鉄、ビタミンDK2、食物繊維、整腸作用を謳った乳酸菌などが揃っています。さらに、安眠をサポートする商品やストレス軽減を謳った商品までもがラインナップされ、妊婦用のDHAなど、生まれる前から子供の栄養ケアを考える商品もあります。アメリカの子供用サプリメント市場は約6,000億円と言われており、これはその市場が成熟していることを示しています。

 

一方、日本の子供用サプリメント市場はまだ小さく、約100億円程度です。この違いにはいくつかの要因が影響しています。まず、日本では栄養素は食事から摂るべきとの信念が根強く、サプリメントに頼ることが親の義務を怠っているとの罪悪感を抱く人が多いことが挙げられます。また、どのサプリメントを選ぶべきか、栄養素に関する情報が不足し、商品としての選択肢が限られていることも、子供用サプリメントの認知度が高まらない要因だと思います。

 

しかし、日本でも子供の栄養不足や健康問題が顕在化していることは事実です。厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」と同「栄養素等摂取状況調査の結果」の差異をみると、714歳の子どもで、カルシウム、マグネシウム、ビタミンDなどの主要な栄養素が不足していることが分かっています。また、成長期の骨折数は1980年頃と比較して3倍に増えているという統計もあります。

 

日本では医食同源というコンセプトのもと、食事からしっかりと栄養補給をすることが理想とされています。しかしながら、家族構成が核家族化し、夫婦共働きの家庭が増えているため、食事だけで100%の栄養を確保することは難しくなっているのも現実です。まずは、栄養が不足しているという現実に向き合うこと。そして、それをストレスに感じるのではなく、子供用サプリメントで無理なく栄養補助することも選択肢のひとつ、と捉えてもよいのではないでしょうか。私たちも栄養補助食品の必要性や適切な選択方法について、積極的な情報発信や啓発活動を行っていきたいと考えています。