ジャーナル

ミニコラム#04 ノルウェーの食文化と栄養素の関係性

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2024.02.14

ノルウェーは美しい自然と豊かな漁業資源を誇り、特にサーモンで有名な国です。日本の食卓にもノルウェーサーモンは様々な形で届けられており、私達にも身近な存在です。ノルウェーの食文化は長い間、漁業とともに育まれており、特にサーモンは重要な食材として伝統的な料理に広く使用されてきました。多くの栄養素を含み、特にオメガ3脂肪酸(以下、「オメガ3」)とビタミンDが健康に与える効果は高く評価されています。オメガ3は脳の機能の発達や維持にとても重要な役割を果たしており、その他にも、心血管の健康を促進し、抗炎症作用があるとされています。また、一方、ビタミンDはカルシウムの腸管への吸収をサポートする、骨の健康を保つ上で欠かせない栄養素で、免疫機能を調節する働きにも注目が集まっています。

 

ですが、そんなノルウェーでもオメガ3・ビタミンD不足が顕在化しています。近年の養殖サーモンの増加に伴い、養魚用飼料に使用される大豆など穀類を中心とした原材料によって、サーモンの栄養価に変化が生じています。オメガ3とオメガ6脂肪酸(以下、「オメガ6」)のバランスが崩れ、オメガ3が不足傾向となっているのです(*一般的には、我々の体内におけるオメガ3:オメガ6のバランスは12程度が理想とされています)。2016年に公表された調査では、ノルウェーのみならず、世界中の国々でオメガ3不足は深刻であると警鐘が鳴らされており(※1)、同様に2017年に公表された調査では欧米では98%の人々がオメガ3レベルが適正レベルを下回っている、とのショッキングなデータが示されました(※2)。

 

さらに、ノルウェーの気候は寒冷で日照時間が短いため、体内でビタミンDを十分に生成するのが難しいという特徴もあります。20102011年にノルウェー国内で1,000人以上の男女(1518歳)が参加した調査では、60%以上の男女がビタミンD欠乏症の状態であることが示されています(※3)。

 

 

これらの健康問題に対処するため、オメガ3・ビタミンDの不足を補うためのサプリメントが手軽な解決策として広く認知されており、子供から健康を意識した成人まで、幅広い世代に利用されています。

 

こうした土壌の国ですので、様々な事業が展開されており、例えば1998年にオスロで創業したEQOLOGY AS社はオメガ3・ビタミンD不足を解消するための面白いソリューションを提供しています。同社は、血液検査キットを用いて個々のオメガ3とビタミンDの過不足を正確に測定し、個別の栄養状態を把握することを可能にしています。(関連記事「グループ企業 EQOLOGY」へ)

 

自分自身の栄養状態を把握し、サプリメントを通じて健康をサポートするアプローチは、個人の健康意識を高める一因となっています。まずは正確に自分自身の健康状態を把握することが大切ですね。

 

 

漁業が盛んなノルウェー・オースレン

 

画像出典:EQOLOGY

https://eqology.com/

 

※1Progress in Lipid Research Volume 63, July 2016, Pages 132-152

※2Nutrients. 2017 Aug 24;9(9):930.

※3Scandinavian Journal of Public Health · July 2014