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Interview #01 「BeinBein 骨+( ベインベイン ほねプラス )」開発者

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成長期の子供たちがおやつ代わりにおいしく摂り続けられるゼリー、「BeinBein 骨+」。骨のためにつくられた、この栄養機能食品の発案・企画者 であり、製造販売会社、Octroll(オクトロール)を立ち上げた、田中啓之、加奈子夫妻に話を聞きました。

北欧の確かなサプリメント原料を日本へ。

最初に、「BeinBein骨+」をつくったOctrollがどんな会社か、企業の紹介をお願いします。

田中啓之 以下 田中)Octrollは、北欧ノルウェーで開発されたサプリメント原料を世界各国に紹介・販売する会社です。なぜノルウェーか、と申しますと、ノルウェーはサプリメントの研究開発が非常にすすんだ国で、自然生まれのサプリメント原料の製造が盛んな国なのです。Octrollは、そんな北欧の安心で人にやさしいサプリメント原料をサプリメントや食品のメーカーに紹介し、販売する会社です。ノルウェーでグローバルに展開するサプリメント原料メーカーの一員として、日本では私たちが代表となってOctrollを立ち上げました。

ノルウェーといえば、オーロラやフィヨルドといった大自然の国というイメージでしたが、サプリメントの研究開発が盛んなのですね。何か理由があるのでしょうか?

田中)そもそも北欧は福祉国家なんですね。そのためノルウェーでも国の医療費負担が大きく、それを抑えるという目的もあり、予防医学の研究開発にかなり国の補助金が出ます。健康関連政府支出額(国の補助)は世界第1位で日本の2.3倍※です。Octrollのグループ企業では、そんなノルウェーの、臨床データに基づいたエビデンス……つまり根拠となる論文が充実した原料を日本や世界に紹介しています。原材料が自然由来優先であることも特長です。
また北欧では冬の日照時間が短いため、子供のころから積極的にビタミンDを摂るなど、生活にサプリメントを取り入れる習慣があるんですよ。必要なものを効率的に取り入れるという点も、非常に北欧らしいと感じます。

※出典:WHO 2017年

子供たちの健康を考える事業を求めて。

田中さんはもともと商社にいたと聞きましたが、どのような経緯でOctrollを設立することになったのでしょう?

田中)私は日本の大手総合商社に在籍し、食品・食料分野の最前線で世界各地を行き来する仕事を15年ほどしておりました。その中で、予防医学の事業を行っているノルウェーの友人と出会い、自然の力を活かしたサプリを取り入れる……そんなノルウェーならではの習慣があることを知ったのが事業発足のきっかけです。また、私事ではありますが、そのころ我が家に子供ができたことで、自分自身の生き方や働き方を見直す時期にさしかかったことが大きかったです。命の誕生を体験し、子供はもちろん大人も含め、人はもっと健康に生きるべきだという強い思いが生まれたこともあり、新たな視点で仕事を見つめ直し、妻の後押しもあって夫婦でこの事業を始めました。

田中加奈子 以下 加奈子)当時、夫は海外出張ばかりで父親として子供と向き合えない働き方をしていたことに、悩んでいました。北欧のワークライフバランスを大切にするライフスタイルを知ったこともあり、彼が、これからは子育てと仕事を両立しながら、もっと食品についての知識や経験をこれからの社会のために活かす仕事がしたいと言い出したとき、私も反対より賛成の気持ちが大きく、これまでの様々な経験を生かし、設立に関わることになりました。

では、企業にサプリメントの原料を販売してきた会社が、なぜ一般の消費者対象の、それも子供向けの独自の栄養機能食品を開発することになったのでしょう?

田中)おおもとの思いは、自らの子育ての中で周囲の親子との交流も増え、我が子はもちろん、子供という存在みんなに本当に安心で体にいいものを食べて元気に成長してほしいという思いが生まれたことです。また、我が子にサプリを摂らせたいと思った時、これだ!と思う理想の栄養補助食品のブランドが国内になかったんですね。先ほどの話にありましたように、Octrollはエビデンスのしっかりとした、高品質な原料を日本のメーカーに紹介する会社なのですが、コスト面の課題などから、メーカーで使ってもらえない場合も多く、広く消費者の手元まで届かないという悩みもありました。それならもう自信のある原料を使い、まずは子供向けに理想の商品を自分たちでつくろう、と設立したのが「sikksakk(シックサック)」というブランドです。自社開発の商品をつくるなら、子供の栄養の問題を根本から解決に導くような商品がやりたいという思いもあり、sikksakkで開発した商品第一号が「BeinBein骨+」なんです。

高品質なカルシウムやビタミンK2で、コツコツ骨貯金。

「BeinBein骨+」のBeinは、ノルウェー語で〝骨〟という意味だと聞いています。子供向けの栄養機能食品をつくろうとなったとき、第一号として骨をコンセプトにしたものをつくることにしたのは、なぜですか?

田中)我々のグループには、独自開発をした「MenaQ7(メナキューセブン)」という骨に役立つ非常によいサプリメント原料がありました。それをぜひ子供たちの成長期の「骨貯金」のため、手軽に摂れる形でお届けしたいと思ったのです。
また、ここ数年の生活様式の変化から、子供たちは外で思い切り遊べず日光を浴びる時間が減ったり、運動の機会が減り、骨に必要な刺激が与えられなかったり……と、骨の形成に大切なことがなかなかできない生活を送っています。また、日本では食事の欧米化により、骨に必要な栄養素が不足している状況※1です。子供の骨折率も増加しているというデータ※2もあります。そういった背景から、骨をコンセプトに食事では足りない栄養を補う商品を、とこの企画を始めました。

※1※2出典:独立行政法人日本スポーツ振興センター「学校の管理下の災害-基本統計」

骨に必要な栄養素というと、カルシウムということでしょうか?

田中)はい。でも、カルシウムだけではないんです。骨の形成には、カルシウムとともにビタミンK2など様々な栄養をバランスよく摂ることが大切で、しかも、それらの栄養は成長期にしっかり摂る必要があります。というのも、人の骨の強さ、つまり骨量の最大値は、人が0~20歳の成長期に決まってしまいます。専門用語で「ピーク・ボーン・マス、最大骨量」というのですが、骨量を最大まで高めることができるのは18~20歳くらいまで。その後は量を維持するだけ。時期を過ぎると、必要な栄養を摂っても、徐々に下がっていくんです。成長期の栄養や生活習慣でしっかり骨量を増やす「骨貯金」をしておかないと、将来、骨のトラブルからアクティブな生活が楽しめない、そんなリスクが高まります。
特に女性は、閉経後に急激な骨量の低下がおきることも有名です。また、近年では女性アスリートが、トレーニングを強化しているにもかかわらず、それに応じたバランスのよい食事をとれず、結果、骨にも影響が出るという問題も出てきています。

お子様や、特に女性は、骨貯金が大事なんですね。日本人はカルシウム不足と聞いたことがありますが、効率的な骨貯金をするにはどうしたら良いのでしょうか。

田中)やっぱり大切なのは、コツコツしっかりと、カルシウムや骨の形成に関わるその他の栄養素を摂ることです。骨はカルシウムを蓄える働きがある、いわばカルシウムの貯金箱なのですが、食事からのカルシウムが足りないと、骨のカルシウムが過剰に血中に溶け出し、骨貯金が減少して骨量も下がってしまいます。しかし、厚生労働省のデータ※を見ると日本人のカルシウム摂取量は不足しており、7歳から14歳の子供たちは、カルシウムはもちろん骨の形成に必要な様々な栄養も不足しているといわれています。こういった骨貯金の重要性については、今後も当社のホームページなどで、専門家のお話などを情報発信していく予定です。

※日本人の食事摂取基準(2020年版)
※栄養素等摂取状況調査の結果

骨というテーマでカルシウムというと、既存のものでも様々な栄養補助食品がありますが、「BeinBein骨+」の特長はどういったところでしょうか?

田中)「BeinBein骨+」のコンセプトのひとつは、カルシウム以外の栄養素にもこだわったことです。骨といえばカルシウムを摂ればいいと考えている方がやはり多いのが現状ですが、カルシウム以外の栄養素もしっかり摂らないと、カルシウムは骨に効果的に吸収・定着されません。「BeinBein骨+」は骨形成のメカニズムを追求し、カルシウムとともに必要なビタミン、マグネシウム、鉄、亜鉛など、様々な栄養素も豊富にバランスよく配合しているのが特長です。

加奈子)原料の安全性についても、sikksakkはこだわっています。サプリや栄養補助食品をお子様にということにハードルを感じる方もいらっしゃると思いますが、BeinBeinでは、できる限り人工的な成分を自然由来の原料に置き換え、アレルギー物質として表示義務のある特定原材料7品目は不使用とします。北欧のように体に足りない栄養を手軽に補える、そんな安心安全な栄養機能食品をお届けしていきます。
もちろん、毎日の食事で栄養をバランスよく補えたらそれが一番ですが、現代のお母さんたちは忙しくて、時間がない。そういうとき、サプリメントで補うことがあってもいいという考え方が持てれば、子育ては、もう少しラクなものになるかもしれません。安心安全なサプリメントがあれば、世の中のお母さんたちも、きっとそんな考えが持ちやすいと思うのです。

BeinBein骨プラス

質のよいサプリメント原料が使われているのですね。どういったサプリメント原料が配合されているのでしょう。

田中)たとえば、「MenaQ7(メナキューセブン)」というビタミンK原料は、私たちのグローバルグループ独自のもので、ノルウェーの研究機関で20本以上の臨床データをとったものです。また、カルシウム原料のひとつ、「CalGo(カルゴー)」というノルウェーサーモンの骨由来のものは、炭酸カルシウムと比較して6倍高い吸収率があることが臨床試験で実証されたカルシウム原料なんですよ。通常はコストの課題で採用しにくい高品質な原料も、Octrollの卸し事業を活かすことで、妥協せずにこだわることができました。

おいしいゼリーだから、毎日続けられる。

では、そういった栄養を摂る方法として、タブレット状のサプリなどではなく、「摂るおやつ」というコンセプトのゼリーにしたのは、なぜでしょう。

加奈子)ゼリーにしたのは、おいしくて食べやすい方が小さな子供たちでも続けられるからです。どんなにいい原料をバランスよくしっかり使っても、子供たちに毎日コツコツ食べてもらわなければ意味がありません。様々な形状を検討し、試作しましたが、ゼリーならば、どんな時間や場面でも摂りやすく、親が声がけを頑張らなくても、小さなお子様でも自分で食べてくれるのではないかと考えました。また、味や食感についても、ゼリーメーカーと組んで試作を繰り返し、理想のおいしさを実現しました。形がスティック状になってますので、冷蔵庫のドアポケットにカップなどに入れて立てておけば、小腹が空いたときなど冷蔵庫のドアを開け、さっと食べられます。そのため冷蔵庫用にオリジナルの保管ケースもつくりました。夏場は冷凍庫で凍らせて食べてもおいしいですし、お弁当の保冷剤、おやつ、夕食後のデザートにもぴったりです。
そもそも、「摂るおやつ」というコンセプトにしたのは、もっと気軽な感覚で栄養補給を楽しんでいただきたいという思いがあったからです。コツコツといっても毎日毎日というとお母さんも大変です。忘れる日があっても気にしない。食事で足りない分を、おやつで補う感覚で、ぜひ気軽に始めていただけたらと思います。

試食してみましたが、大人でもおいしく味わえるゼリーでした。この味なら、子供たちも毎日積極的に摂れるようになりますね。

加奈子)そうなんです。さらにsikksakkでは、ただ栄養機能食品をお届けするだけではなく、骨や栄養について学べる知識も情報発信したいと思っています。というのも、これからの子供たちには、ただ、与えられた栄養を言われたままに食べるのではなく、自分の身体のことや、栄養素の働きをきちんと知って、自ら考えて選んで栄養を摂ってほしいと考えているからなんです。
北欧の教育は、ただ物や知識を「与える」「一方的に教える」のではなく対話を大事にしています。先生と子供、親と子供が共に学んでいく。sikksakkは、そんな考え方を大切にし、親子で一緒に食事、運動、骨や健康にまつわることを学べる、そんなブランドの在り方を追い求めています。

子供たちの個性を生かす安心のブランドへ。

北欧的な考え方が根幹にあるのですね。最後に「sikksakk」というブランドについて、今後の課題や展望を教えてください。

加奈子)「BeinBein骨+」が商品第一号のブランド「sikksakk」ですが、北欧の言葉でsikksakkは「ジグザグ」という意味です。ジグザグ、それはまさに人生。「山あり谷ありの人生を自分らしく歩んでほしいから、子供たちのこれからを、つくる、選ぶ、いっしょに笑う。」という私たちのブランドのコンセプトを、この名前にこめました。
商品展開としては、子供の健康をカバーするためのカテゴリーを超えたブランドとして、食品やそれ以外の様々なジャンルのものを考えています。
子供たちは体格もいろいろ、性格もいろいろ。様々な個性があるそんな子供たちが、それぞれ自分らしく人生を歩むために、このブランドが気付きや考えることのきっかけになれれば、という思いがあります。「BeinBein骨+」は骨がコンセプトのサプリメントではありますが、身長が高くても低くても、それは、それぞれの良さ、持ち味だという思いが根底にあります。一人一人のお子さんに自分らしさを大事にする、芯から強いお子さんに育っていただけたら、と願っています。

  • ・栄養機能食品とは「特定の栄養成分の補給のために利用される食品で、栄養成分の機能を表示するもの」をいいます。消費者庁により制度化されており、定められた基準値をクリアした商品だけが栄養機能食品と表示できます。
  • ・栄養補助食品とは「食事のみでは必要量を摂取することが難しい栄養素を補うことを目的とした食品です。法律などによって制度化されたり定義されたりしている用語ではありません。

聞き手:岡部修三(upsetters inc.)
写真:1枚目 sikksakk提供 2枚目 sikksakk提供 3枚目 曽我部洋平 4枚目 下屋敷和文