ジャーナル

ミニコラム #01 北欧・ノルウェーにおける骨ケア事情

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2023.04.17

北欧に位置するノルウェーでは、小さいときからサプリメントを摂ることが一般的です。今でも根強い人気を誇るMöller’s Tranに代表される肝油は、ビタミンAやビタミンDを豊富に含み、ノルウェー人は誰しもが小さい頃に毎日スプーン1杯を飲んだ思い出がある国民食です。最近では、ノルウェー語で「くまちゃんグミ」を意味するVitaminbjørnerが、一家に1ボトルは必ず置いてあり、不足しがちなビタミン類をより手軽に補食することが習慣化されています。手軽な補食商品として人気が高く、大人もついつい小腹を満たすために口に入れており、結果一家でビタミン補完の習慣化ができています。ノルウェーは、冬の長い期間、日中でも薄明か、太陽が沈んだ状態が続く“極夜”を迎え、世界的にも日照時間が短い国として知られています。骨を健康に維持するためのビタミンDは、日光を浴びて体内で生成される栄養素となっており、日照時間が短いことで、こうした栄養素が不足してしまう傾向にあります。2010~2011年にノルウェー国内で1,000人以上の男女(15~18歳)が参加した調査では、60%以上の男女がビタミンD欠乏症の状態であることが示されています(※1)。又、同じく骨を形成する上で重要な栄養素であるビタミンK2についても50%以上の幼児が欠乏症であるとのデータが公表されており(※2)、官民一体となって様々な研究が行われています。

北欧の一角を担い福祉国家として有名であるノルウェーでは、医療費負担を軽減するために、国として予防医学分野へも力を入れており、様々な形で民間ヘルスケア分野への研究開発サポートを行っています。このように国からのバックアップを得て、民間企業としては安心安全で機能効果の高い製品開発が可能になっています。

特に骨については、ピークボーンマスと呼ばれ20歳頃までに骨量がピークを迎えることから、子どもの時期にしっかりと栄養素を摂った上で、骨量のピークをできる限り上げることが重要です。このピークをなるべく高く上げておくことが、骨粗鬆症など将来的なリスクを軽減することにつながります。同時に、強い骨を子どもの時期に作ることで、歳を重ねても健康的でアクティブな生活を送ることができるため、国としても骨のケアは注目度が高い分野になります。

こうしたお国柄で生まれたのがBeinBeinにも含まれるMenaQ7(ビタミンK2)です。MenaQ7は、オランダにあるマーストリヒト大学と連携し、2009年には6~10歳の55人の男女を対象に(※3)、2013年にも42人の男女を対象に、安全性及び効果の検証を行っています(※4)。こうした検証結果は論文化もされています。ビタミンK2を吸収するためのタンパク質の量は、成人に比べて、子どもの方が8~10倍多く(※4)、子どもの時期にしっかりとビタミンK2を摂取することが重要であることが示されています。

※1:Scandinavian Journal of Public Health · July 2014
※2:Williams Hematology. 5th ed. New York, NY: McGraw-Hill; 1995:1481-5.
※3:British Journal of Nutrition (2009), 102, 1171–1178
※4:Food Function. 2014 Feb; 5(2):229-34.


写真:Natto Pharma

sikksakk 事業部代表 田中啓之
Octroll株式会社代表。大手商社で、食料品の新規開発をアジア・オセアニア各国にて主導。
2016年に現ビジネスパートナーであるノルウェー人Frode Bohan氏と出会い、北欧の自然と共存する生き方に感銘を受ける。 同じく自然を敬ってきた日本に、北欧の高度な研究によるエビデンスに基づいた自然由来の素材を届け、また日本の優れた素材を世界へ届けたいと、Octroll株式会社を立ち上げる。
健康・食品に関する研究をリサーチし、分析することが得意。