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Interview #02 ノルウェー・リュックの「BECKMANN NORWAY(ベックマンノルウェー)」

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1946年に創業した人間工学デザインが特徴の国民的リュックメーカー「BECKMANN NORWAY(ベックマンノルウェー)」。どちらも「在日ノルウェー商工会議所(NCCJ)」に所属しているというご縁から、BeinBeinの製造販売会社、Octroll(オクトロール)代表、田中啓之と対談形式でのインタビューが今回、実現しました。

子どもを想う気持ちから生まれたノルウェー・ブランド。  

 

━━まず今回、BECKMANN NORWAYにインタビューをお願いすることになった経緯を教えていただけますか?

 

田中啓之 以下田中)はい。我々とノルウェーのリュックメーカー、BECKMANN NORWAYは、ともに「在日ノルウェー商工会議所(NCCJ)」にパートナー企業として所属しています。チーム・ノルウェーの一員として、さまざまな活動でご一緒させていただく中で、弊社のBeinBeinという、子どものヘルスケアに特化した栄養機能食品が、BECKMANN NORWAYのリュックづくりの精神と共鳴するところがあると考え、Octrollの日本代表である私との対談という形でインタビューをお願いしました。また、うちの娘もBECKMANN NORWAYのリュックの大ファンでして、ぜひ一度お話を詳しくお聞きしたいと思っていました。

BECKMANN NORWAY)ありがとうございます。BECKMANN NORWAYは、ノルウェーで子どもから大人まで愛される国民的リュックブランドで、2022年から日本国内での一般販売を始めました。Octrollの栄養機能食品BeinBeinと同じく、その始まりは子どもの身体のため。寒く厳しい環境で通学するノルウェーの子どもたちのために生まれた、身体に負担のかからないリュックが始まりです。

 

 

児童のシェア80%、国民的リュックの始まりとは。

 

━━BECKMANN NORWAYが生まれた創業の経緯や、そのこだわりなどを教えてください。

 

BECKMANN NORWAY)BECKMANN NORWAYは、ノルウェーの児童の80%以上が利用している国民的ブランドです。実際に首都オスロで幼稚園や小学校をのぞいてみると、生徒の大半が使っていることも珍しくありません。その始まりは1946年、ノルウェーの片田舎でした。当時のノルウェーの子ども用リュックは、現在の日本のランドセルのような形だったそうですが、筆箱やお弁当など様々な形状のものを入れるには適しておらず、その上重さがあるカバンをノルウェーの厳しい自然環境の中で背負うのは、子どもたちにとっては大変なことだったそうです。そこに着目した創業者のオラフ・ベックマンが、人間工学の観点からリュックの研究開発をはじめた。そんなストーリーが、BECKMANN NORWAYの原点です。現在では世界25カ国以上で販売されており、ヨーロッパの他の国でも、保育園デビューの際に選ばれることが少なくありません。

田中)そうなんですね。日本でもBECKMANN NORWAYのリュックがだんだん広まっていますね。うちの子の小学校にも、BECKMANN NORWAYを使っているお子さんがいました。日本の小学生の荷物は、毎日使うタブレットなどもあり、かなり重いのですが、本当に着け心地がラクで助かっていると娘が言っていました。あのラクさの秘密は、どこにあるのでしょう。

BECKMANN NORWAY)多くの方から「使い心地が良い」との声をいただく理由の一つは、人間工学分野の長年にわたる研究に基づいた身体に優しい構造です。ノルウェーにはデザインラボを設けており、現在は4人の子どもを持つママさんが責任者を務めていて、素材の安全性から日々の学校生活にマッチする細やかな工夫をこらすなど、「使ってくれる人の笑顔のため」に、誠心誠意取り組んでいます。結果として、本国ノルウェーやカナダ、日本をはじめ各国で様々な受賞歴や、安全性に関わる認証を取得しています。例えば、EU(ヨーロッパ連合)が定める安全性基準「REACH規制」や、有害物質の不使用を証明する「BPAフリー」、低年齢の子どもを守るためのノルウェー「EN71-3(おもちゃ規制)」などが挙げられます。

背中にフィットして負荷分散する人間工学設計

 

 

ノルウェーならではの安全性と自然への配慮。

 

━━安全性というところに、OctrollのBeinBeinとも共通点がありますね。やはり北欧ノルウェーという国に、安全性を重視する風潮があるのでしょうか? 

 

田中)そうなんです。ノルウェーというか北欧では企業に本当の意味での安全性や、さらには自然環境への配慮が求められます。ですから、我々Octrollでも、MenaQ7というビタミンK2素材など、エビデンスをしっかりとった素材を扱っておりますし、ナチュラルな製品づくりにもこだわって、カルシウムの原料にはノルウェーサーモンの骨という本来捨てられてしまうはずの部位を使い、食品ロスやアップサイクルという環境的テーマの解決に取り組んでいます。
また、ノルウェーには、子どもに栄養補助食品を積極的に使い、栄養を摂らせるという文化もあり、子どもの健康を非常に大事にする国です。そんな国で子ども向けのリュックとして80%シェアを広げたというのはすごいことだと感じています。

BECKMANN NORWAY)ありがとうございます。ノルウェー人は本当に自然が大好きということもあり、BECKMANN NORWAYは、サステナビリティも追求しています。たとえば、基本的にほとんどの外装生地はプラスチック再生素材です。コストパフォーマンスという観点ではより安価な素材は世の中に多く存在するのですが、BECKMANN NORWAYは「自然とともに生きる」という姿勢を自社、そしてリュックを使用してくれる子どもや、大人にも製品を通して伝えていきたい。そのような「真摯な姿勢こそ、最終的に多くの方々が幸福になる」というポリシーを持っています。
また、BECKMANN NORWAYの特長でもあるのですが、マーケティング先行ではなく、「身体に良いものを」という研究から商品づくりをしている。そういう真摯な態度が、国民的なブランドに成長した背景かなと思っています。実際、チームメンバーのノルウェー人の多くは、学校入学のタイミングで、親からBECKMANN NORWAYのリュックを使うように言われたそうです。親世代、また、おじいちゃんおばあちゃん世代からの信頼が大きな力になっていますね。

BeinBeinが厳選する原料、カルシウムとビタミンK2について詳しくはこちら

 

 

製品の想いも伝える…オンラインでの直接販売。

 

━━ところで、今、BECKMANN NORWAYは、日本のどんなところで購入できますか?

 

BECKMANN NORWAY)今後は、全国主要都市での直営店舗展開なども考えていますが、今現在はオンラインでの販売がほとんどです。卸売りはセレクトショップが2023年現在、東京で一か所になります。

田中)私がノルウェーの首都オスロの市内を回った際、街角の本屋さんにBECKMANN NORWAYがずらりと並んでいて、驚いたことがあります。本国では様々なチャネルで販売されている印象でしたが、国によって販売の方法を変える戦略はどんな意図なんでしょう。

BECKMANN NORWAY)私たちのブランドが日本で今、一番大事にすべきは、カスタマーの皆様に、直接自分たちのブランドが持つ思いを伝えられることだと考えています。もし日本全国で急に拡大をして行った場合、ブランドの背景にあるストーリーや商品の使い方などを十分にお伝えすることは難しいでしょう。ですので、皆様としっかり会話をさせていただけるような体制で、日本における販売を進めております。

田中)そうなんですね。じつは子どもの小学校で、BECKMANN NORWAYを使っているお子さんの親御さんに話をうかがったことがあるのですが、お子さんの小学校入学にあたって、子どもの健康を考え一番いいリュックを探されてBECKMANN NORWAYに行き着いたということでした。小学生の荷物は、毎日本当に重たいですから、かなり熱心に探されたそうです。BECKMANN NORWAY様の伝えたい想い、情報は、ターゲットに確かに伝わってると感じます。
また、私どもOctrollも現在、オンラインを中心に販売しておりますが、オンライン直販だからこそ直接お伝えできることって確かにありますよね。

BECKMANN NORWAY)はい。オンラインでのコミュニケーション上でなら、BECKMANN NORWAYの歴史や開発プロセスが持つ価値や、安全性認証の詳しい話、さらにはお子様の身長と成長を考えたサイズ選びなどを、直接説明することができます。場合によっては「その商品はお客様に合ってないかもしれません」という正直な話もお伝えしています。それが回り回って、ご家族にぴったりだった…というご縁に繋がることもありまして。お客様と良いコミュニケーションをさせていただけている、という実感があります。

田中)そういえば、我が家でもBECKMANN NORWAYのリュックを愛用するうちに、「この部分を、こうしたらいいかも」なんていう、細かいアイデアを思いついたことがありまして、その話をノルウェー商工会の方で、BECKMANN NORWAYの方に雑談で伝えたことがあります。そのとき、「そういうユーザーの方の意見がとても大事で今後に生かされていくんです。きめ細やかな日本の人ならではの意見でありがたい」と言っていただいたことがありました。様々なフィードバックが商品開発につながる、そんなBECKMANN NORWAYの企業風土を感じました。

 

 

今後の展開。さらに伝わる、双方向の交流へ。

 

━━最後に、BECKMANN NORWAY、Octrollの今後の展開についてお聞かせください。

 

BECKMANN NORWAY)オンライン直売と並行し、日本各地でのポップアップストア出店などお客様に直接BECKMANN NORWAYに触れていただける機会をつくっています。また、ノルウェーのBECKMANN NORWAY本社でも、様々なカルチャーやファッションなどで注目を集めている日本のお客さまのお声を、参考にしたいという話も出ています。今後、日本とノルウェーの双方向で、より良い製品づくりができれば、我々もとても嬉しいです。

田中)我々OctrollもBECKMANN NORWAYと同じく、健康へのこだわり、安全性などの想いをもっともっと伝えていきたいと考えています。オンラインで直接販売をさせていただきながら、卸しの場合も、我々の思いを本当に共有できる方、例えば整骨院の先生ですとか、スポーツジムのトレーナーの方ですとか、Octrollの考え方を体現して伝えてくださる方にお願いしています。そういう展開の精神も含め、BECKMANN NORWAYと様々な親和性があるなと今回改めて気づきました。様々な協業をぜひ引き続きチーム・ノルウェーとして今後も目指していただけたら思います。本日はお時間、ありがとうございました。

ポップアップストアの様子


写真:1枚目 BECKMANN NORWAY提供 2枚目 BECKMANN NORWAY提供 3枚目 曽我部洋平 4枚目 BECKMANN NORWAY提供